
京都から岐阜は大垣へと移動する三人であった。大垣から青春18キップを駆使して福島へと帰還する作戦である。
安旅である。新幹線や飛行機などに目もくれず深夜バスで移動をするが、安旅の締めくくりが「ムーンライトながら」での移動である。


青春18キップを愛するもの達の憧れの的である。「ムーンライトながら」に乗る事ができて非常に嬉しいのである。(僕的にはこれが、この旅のメインディッシュです。。)

リクライニングシートを倒し酒場本を片手に日本盛を飲む。電車の揺れと、時おり聞こえる警笛が心地よい空間を醸し出すのである。

旅の疲れなのか、暫くすると深い眠りに落ちるのである。気がつけば明け方の東京駅であった。

東北本線により北上するが、それ以降の記憶がないのである。記憶がないまま、フラフラ三人組は郡山に着くのである。


郡山駅にて朝飯の天蕎麦を食べるがこれが旨いのである。福島のメシは意外に旨いのでは?と思うのであった。
そして旅は終わるのであった。
ーーー後日談ーーー
長男坊が学校で今年の漢字を選んだそうである。彼は「歩」を今年の漢字として選んだようである。素晴らしい漢字を選んだものである。
「お父さんが選ぶとしたら、どの漢字を選ぶ」と聞かれるので、こう答える。
「俺は、毎年おなじ漢字だ。"旅"だ」と。
夏の松山の旅を通して彼らは何を感じ、何を学んだのだろうかと思いを巡らせるのである。いつの時も心の旅人であってほしいなーと思うのであった。
2011年の幕が閉じ、2012年の幕開けとになる。これからの日本は上の世代が喰い散らかしたツケを下の世代が尻拭いする時代に突入するのである。
たぶん幸せの物差しも変わるであろう。アマルティア・セン氏が言ったように「豊かさとは」が問われる時代なのである。
物質的な充足が幸せな時代は過ぎ去り、精神的な充足こそが幸せな時代が来ると思うのである。そんな時こそ息子達には「心の旅」を忘れないでほしいのである。
「心の旅」それは、いつでもどこでも出来るの事なのである。今日の自分よりも明日の自分が違う場所、違う意識に居れば、それは「心の旅」である。
それは物理的な問題ではなく、意識の問題なのである。本を読んでも「心の旅」はできる事だし、いつもと違う路地裏に足を運ぶことでも得られることである。
勿論、まだ観ぬ世界へと足を運ぶ旅をすることが最善なのであるが。。
息子達には「心の旅」という言葉を心に刻んで人生を生きてほしいなーと思うのである。
僕が小さい頃に過ごした松山を息子達と歩く事ができて幸せな気分になるのである。時おりぶつかり合う三人であるが、遊びや旅となると一致団結するのである。三人して「心の旅」ができなたーと思うのであった。
紅白歌合戦がテレビから流れる。いろいろあった一年であったが、いろいろと面白い事や楽しい事もあった一年でもある。
外は銀世界である。そして年は暮れるのであった。。
ー激動の2011年が過ぎゆく、雪景色の喜多方の実家にてー