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苔のむすまで
苔のむすまで苔のむすまで
(2005/08/24)
杉本 博司

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 極上のエッセー集である。著者は写真と建築の専門家で骨董への造詣も深い。そのバックボーンを活かしたエッセーは古の思想から建築物まで多岐に渡るのである。

 「人にはどれだけの土地がいるのか」のエッセーでは鴨長明の方丈記を取り上げ人間に必要な広さに切り込むのである。

 (必要以上の土地を得ようとし自己犠牲した生き方と、四畳半の仮小屋をベースに放浪の人生を歩んだ鴨長明の対比は読み応えあります。)

 「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまる例なし。世の中にある人と栖と、またかくのごとし」

 方丈記の一節は、いつ読んでも世の中の本質を捉えた名文だなーと敬服するのである。

 「苔のむすまで」のエッセーでは西洋を取り入れようとする東の小国が太平洋戦争で敗れるまでの国体と帝の苦悩が描かれていた。

 奥の深い内容に思わず読みふけってしまうのであった。