FC2ブログ
このブログは、カムC空次郎が食べた福島の美味いもの、喜多方ラーメン、読んだ本、登った山、入った温泉など、俺が思ったことを綴ったチョー個人的なデジタルライフログです。 旧カムCはこちらから ☞ http://camcsoraziro.blog121.fc2.com/
昭和のエートス
昭和のエートス昭和のエートス
(2008/11/21)
内田樹

商品詳細を見る


 内田樹氏の「昭和のエートス」を読み終えた。日経新聞の広告でその名をみて買ってしまったが、読んでみると期待通りの極上のエッセー集であった。帯にこうある。

---
 1950年代から60年代初めまでに日本社会に奇跡的に存在したあの暖かい、緩やかな気分を「昭和的なもの」として私は懐かしく回顧する。歴史の進歩と科学への信頼と民主主義の全能への夢がまだリアリティを持つことのできた時代がかつて存在した。
---

 このような文章を読むと喜多方で過ごした少年時代のあの緩やかで優しい風景を思い出してしまうのである。そしてこう続く。

---
 そして、存在することを止めた。その息の根を止めることに私たちは間違えなく加担してきた。それゆえに、「昭和的なもの」を回顧するとき私はいたたまれない気持ちになる。私は「昭和人」ではないが、その「いたたまれなさ」の感覚だけが「昭和人」たちから私が受け継いだわずかな遺産なのである。
---

 と。平成の荒れた風景をみながら、僕も「いたたまれなさ」を覚えてしまうのである。昭和的な切り口で綴るエッセーの数々は秀逸なものばかりであるが「貧乏でも何か問題でも?」などは、共感し思わず唸ってしまうエッセーなのである。